身近な家族が亡くなったとき、悲しみに浸ってばかりはいらせません。
葬儀のことを短時間でいろいろと準備しなければならないからです。
自分の葬儀のことを、生前にある程度決めて準備している人は増えてきているようですが、まだまだほんの一部です。多くの方は、亡くなってからどうしようかと考えることになります。
葬儀業者のことに知識がない人がほとんどですから、病院からの紹介や、知人等が知っている葬儀業者から選ぶことになってしまいがちです。
そして葬儀の準備が進む慌ただしい中で業者の言われるままに依頼していき、葬儀が終わってから落ち着いて考えると、思っていたのと違うと後悔したという話もよく聞かれます。
この記事では、後悔しない葬儀業者選びのポイントをわかりやすくまとめています。
最後まで読んで参考にしていただきたいと思います。
葬儀業者とは
葬儀業には公的な資格が必要なく、国や自治体の許認可や届け出も不要なので参入しやすい業種といえます。
そのため、様々な異業種からの参入があります。
日本国内の葬儀業者の数は4000~5000社といわれていますが、許認可や届け出の制度がないため正確な数字は不明です。
葬儀業者の9割が中小零細業者といわれていて、町の葬儀屋さんがほとんどですが、ここ最近では、全国展開するチェーン店やインターネットを活用した葬儀仲介サービスが台頭してきています。
葬儀業者の種類
葬儀業者を分類すると大きく4つにわけることができます。
- 葬祭専門事業者(長年、地域密着で葬儀を行う事業者)
- 冠婚葬祭互助会(割賦販売法・月々の掛金)
- JA(農協)(虹のホール、ルミエールの名称で展開)
- その他(仏壇仏具会社、墓石会社、生協、鉄道会社、量販店、葬儀社紹介業者他)
それぞれのシェアでいうと、互助会約40%、専門業者約30%、農協約15%、その他約15%といったところです。
人口に占める高齢者の割合が高くなり、これからも高齢化が進むことから異業種からの参入も少なくありません。
葬儀業者の選び方
いい葬儀が行えるかどうかは、葬儀業者をどこにするかということにかかっています。
病院で亡くなった場合は、死亡が確認されてから早めに搬送してほしいということになって、時間がないことから病院から紹介された葬儀業者に決めてしまうということも少なくないようです。
このように慌てて葬儀業者を選んで後から後悔することがないよう、できれば生前に複数の葬儀業者を比較し納得した業者に決めておくほうが、失敗がありません。また生前プランとして割引になることもあります。
亡くなった後に葬儀業者を選ぶとなった場合も、病院ですぐに決定せず、ご遺体はいったん安置所に搬送し、それから考えるようにしたほうがいいでしょう。
時間がない状況で、他の業者と比較することもなく十分な知識もないままに葬儀業者を選ぶことは、後悔につながるケースが多いといえます。
まずは、少し落ち着いてから葬儀業者をどこにするかの比較検討をして、それから決定するようにしましょう。
葬儀業者を選ぶ際の注意点
葬儀業者を選ぶ際には、複数の業者から見積もりを取り、担当者から詳しく説明をしてもらいます。
不明点があれば、納得するまで質問をすることです。
プランの中に何が含まれて、何が含まれていないのか、含まれていない費用はいくらになるのか、といったことを細かく確認して見積もりに反映させて、後から違ったということがないようにしておきます。
葬儀にかかる費用は、場合によっては大きな金額になります。
後から言った言わないと揉めることがないように費用については、しっかりと記録を残しておきましょう。
葬儀業者の選び方の重要ポイントについては、こちらの記事にも詳しく書かれていますので
参照してみてください。
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葬儀業者の選び方の重要ポイント
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葬儀業者のいい担当者とは
葬儀業者の担当者とは、もし依頼することになれば、数日間いろいろと相談しながら進めていくことになるので、きちんと見極めをしておくようにしましょう。
有名な葬儀業者だとしても、担当者がよくなければ満足できる葬儀を行うことは難しいでしょう。
時間がないからといって早く決めさせようと急かしたり、故人のためといって不要なオプションを勧めたりしてくるような担当者には注意が必要です。
遺族は悲しみの中で、あまり知識がない葬儀のことを相談しているので、そういった状況を理解して、親身になって話をしてくれる担当者が望ましいといえます。
葬儀に関わる業者には何があるか
葬儀に関わる業者は、葬儀会社のスタッフだけではありません。
他にいくつもの業者からのサービスを合わせて葬儀を行うのが通常です。
具体的に葬儀に関わる業者としては、下記のような業種があります。
- 仕出し屋
- 花屋
- 司会者
- バス会社
- 印刷会社
- 返礼品業者
葬儀ではこうした業種のサービスがパッケージ化されていて葬儀会社を通じて注文することになります。
葬儀業者との打ち合わせでは、こうしたサービスのランクや数量などをしっかり打合せしておきます。
事前の打ち合わせが不十分だと、後になって思っていたのと違うということになりかねないので、しっかりと打ち合わせをすることが非常に大切になります。
葬儀の返礼品の業者
返礼品は、通夜や葬儀に参列していただいた方へお礼の気持ちとして贈ります。
近年ではタオルやハンカチといった500円~1000円程の返礼品を、会葬礼状とともにお渡し、香典やお供えを多く頂いた方、通夜や葬儀のお手伝いをしてくださった方には改めて忌明けに返礼品を発送することが多くなっています。
返礼品としては、海苔やお茶、コーヒー、焼き菓子等といった詰め合わせを贈るケースが多いようです。
葬儀会社が手配した返礼品ではなく、参列者に特別な返礼品を贈りたいという場合は自分で返礼品の業者を手配することは可能です。
インターネットを通じて返礼品の業者に依頼する方も少なくないようです。
もしそういった業者の話を聞いてみたいと思う場合は、一度連絡してみるといいでしょう。
葬儀の返礼品ついて、業者に依頼するにはどうすればいいかの記事にも詳しく書かれていますので
参照してみてください。
まとめ
葬儀には、まとまった額の費用かかりますので、依頼する業者は納得できるところにしたいところです。
業者に丸投げしてしまうと、思っていたような形の葬儀ができなかったり予定した以上の費用かかってしまったりして、満足するような葬儀を行うことができません。
できれば生前にいろいろ比較検討して、どの業者に依頼するか、どのプランで葬儀を行うかということを決めておくと遺族の負担を減らすことができます。
葬儀は慌ただしい中で行われるので、冷静に判断するのが難しいといわれます。もし生前に決めておかれなかった場合は、いったん落ち着いてから比較検討することをおすすめします。