葬儀の作法にあまり自信がない、という人も多いかと思います。知らずにマナー違反をして恥をかくことがないように、葬儀の作法をひととおり身につけておきましょう。
ここでは、通夜、葬儀・告別式のおおまかな流れと、参列者の作法についてご紹介いたします。ぜひ最後までお読みください。
目次
通夜
お通夜とは、故人の家族、親せきや友人などが集まって最期の夜を一緒に過ごす儀式のことで、もともとは夜通し共に過ごしたのですが、現代では告別式の前日18時ごろから2~3時間程度行われるのが通常です。
通夜は、仕事が終るころの時間から始まるので都合がいい人が多く、家族や特に親しい人以外は通夜だけに参列することが一般的です。
【服装】
喪服を着ていくことが一般的です。しかし急に参列することになったため、着替えることができないこともあるので、スーツなど平服でも問題ありません。シンプルなデザインで地味な色合いのものを選びましょう。
男性は、喪服でなければ地味なスーツに黒いネクタイをしていくと無難です。
女性は、露出が多い服、目立つアクセサリー類、光沢のある素材の靴やバッグは避けます。動物の皮製品は殺生を連想させるのでNGです。
【受付】
受付では、まず芳名帳に記帳します。あとで遺族が香典返しの送付等に必要な情報ですので、住所と名前を正確に書いておきましょう。
「このたびはご愁傷さまでございます」といった挨拶のあと、香典を渡します。
受付を済ませたら会場に入ります。
【香典】
香典を入れる不祝儀袋には、「御霊前」と書かれたものが宗教、宗派を問わず使えます。
香典の金額は、故人との間柄や親しさ、年齢や社会的地位、また地域のしきたりによって変わってきます。家族や親せき以外であれば、5000円~1万円程度が一般的です。
不祝儀袋をむき出しにして持つのはマナー違反です。「ふくさ」という布に包んで持参し、渡すときに取り出しましょう。
また、きれいな新札を使うことは、故人の不幸を予想し準備していたとみなされ、マナー違反になります。折り目のあるお札を使いましょう。
【焼香】
焼香のやり方として、立って抹香を使った方式が一般的に行われています。
自分の順番が来たら静かに席を立ち、焼香台に向かいます。
焼香台の前についたら、遺族と僧侶に向かって一礼し、祭壇に向かって一歩進み遺影に向かって一礼、合掌します。
抹香を右手の親指、人差し指、中指の3本の指でつまんで、目の高さに差し上げ、香炉にくべます。
回数は宗派によって異なりますが、3回が一般的です。
焼香が終わったら、再び遺影に向かって一礼し席に戻ります。
【通夜ぶるまい】
僧侶の読経と弔問客の焼香が行われた後は、参列者に通夜ぶるまいがあります。
料理や酒をふるまうのが一般的ですが、様式は地域によって異なります。
【その他注意事項】
新型コロナウイルスの感染防止のため、会場でのマスクの着用や手指のアルコール消毒を行っているので、指示に従いましょう。
通夜は仕事の後に参列するため、開始時間に間に合わないこともあります。通夜には遅れても駆けつけるのがマナーとされています。
葬儀、告別式
葬儀とは、故人の冥福を祈り送り出すための宗教的な儀式のことです。
告別式は、故人との最期の別れをする式典のことで、宗教的なものではありません。
ただし、葬儀の流れで続けて行われるのが一般的で、明確な区切りはありません。
【流れ】
仏式の葬儀・告別式は、読経、焼香、弔辞、お花入れ、喪主のあいさつ、出棺、という流れになります。
一般的には葬儀と告別式をあわせて1時間ほどの時間で行われます。
【服装】
参列者は、男性の場合、フォーマルスーツかダークスーツ、白シャツ、黒ネクタイ、黒靴が基本です。
女性は、黒のフォーマルスーツかワンピース、アクセサリーはつけないか、つけるとしても真珠の一連のものだけにします。バッグや靴は、シンプルなデザインで光沢がない黒色のものを選びましょう。メークや髪形も含め、派手にならないように気を付けます。
【受付】
会場に到着したら受付で記帳し、会場に入ります。
通夜は多少遅れても問題ないですが、葬儀に遅れて入ることは失礼になります。時間に余裕をもって会場に到着し、開始時間の前に受付を済ませておきましょう。
【香典】
通夜に参列して香典を渡している場合は、葬儀で渡す必要はありません。
受付で記帳だけします。
通夜に参列していない場合は、受付で記帳する際に香典を渡します。
【その他注意事項】
新型コロナウイルス感染防止のため、マスク着用での参列はマナー違反とはなりません。
まとめ
通夜と葬儀、告別式の作法について、ひととおり知っておくと、余計な心配がなく参列できます。マナー違反で気まずい思いをすることがないように、葬儀に参列する前に、しっかりチェックしておきましょう。
ここで説明した内容は、一般的な仏式の通夜、葬儀・告別式に参列することを想定しています。宗教、宗派、地域によって様式は多少変わってきます。
また、最近では新しい様式での葬儀も増えています。事前に確認しておくとよいでしょう。